技術情報
水希釈に強いクッション性添加材 気泡クレーショック工法
TAC技術情報 A-016001
気泡シールド工法は、注入される微細なシェービングクリーム(以下気泡)で、掘削土の流動性を向上させ、かつ掘削土の付着を防止する効果があります。さらに、気泡は圧縮性があるため、シールド制御上発生するチャンバ内土圧の変動を、その体積変化により吸収できるため、安定した土圧管理が可能です。一方、気泡自体の消泡性、地下水による消泡促進、カッタービットの二次摩耗などが問題になる場合があります。
クレーショック工法(NETIS KT-160022-A)は、シールド発進時のチャンバ内充填、急曲線部の余掘り充填、シールド外周部の摩擦低減、滞水砂礫層部の噴発防止、掘削添加材補助等、シールド工事の補助工法として、様々な用途に利用されています。
気泡クレーショック工法は、高粘性可塑材であるクレーショックに気泡材を混合したもので、滞水砂礫層での耐消泡性、カッタービットの摩耗低減効果が期待できる掘削添加材です。また、シールド外周に注入すれば、従来の摩擦低減効果に加えて、内圧を保持した気泡による地盤沈下抑止、クッション性による振動低減などが期待できます。
掘削添加材としては、気泡混合率50%を推奨します。外周充填材としては、シールド通過時(機長10mの場合、1日程度)に比重1以上を確保できる気泡混合率25~33%を推奨します。
気泡クレーショック配合例 (気泡中の空気量は大気圧下を示す)
気泡混合率 |
体積 |
A液 |
B液 |
||||
助材 |
混練水 |
気泡(起泡溶液1%、10倍発泡) |
塑強調整剤 |
||||
TAC-β |
清水 |
S-UT1 |
水 |
空気 |
TAC-3G |
||
0% |
1.05m3 |
520 kg |
800 L |
― |
― |
― |
50 L |
25% |
1.353m3 (1.038m3) |
520 kg (390kg) |
800 L (600L) |
0.33 kg (0.25kg) |
33 L (24.8) |
300 L (225L) |
50 L (38L) |
33% |
1.55m3 (1.033m3) |
520 kg (347kg) |
800 L (533L) |
0.5 kg (0.33kg) |
49.5 L (33.0L) |
450 L (300L) |
50 L (33L) |
50% |
2.05m3 (1.025m3) |
520 kg (260kg) |
800 L (400L) |
1 kg (0.5kg) |
99 L (49.5L) |
900 L (450L) |
50 L (25L) |
100% |
1.00m3 |
― |
― |
1kg |
99L |
900L |
― |
()内は気泡クレーショックA液1m3当り配合
経時変化測定例 (上段:比重、中段:粘性dPa・s、下段:ベーンせん断強さkN/m2)
気泡混合率 |
直後 |
3時間 |
6時間 |
1日 |
2日 |
1日エア率推移 |
用途 |
0% (クレーショック) |
1.32 500 0.95 |
1.32 550 1.26 |
1.32 550 1.50 |
1.32 550 1.74 |
1.32 600 2.83 |
0% |
充填材 |
25% |
1.03 200 0.31 |
1.10 250 0.55 |
1.10 250 0.58 |
1.12 300 0.75 |
1.12 350 0.78 |
22→14% |
充填材 |
33% |
0.93 150 0.27 |
1.04 200 0.41 |
1.05 200 0.41 |
1.07 250 0.65 |
1.12 300 0.75 |
29→16% |
充填材 |
50% |
0.73 100 0.24 |
0.82 150 0.27 |
0.89 200 0.31 |
0.95 200 0.38 |
1.01 250 0.58 |
44→20% |
掘削添加材 |
100% (気泡) |
0.10 4.5 0 |
0.10 0.01 - |
0.10 0.01 - |
0.10 0.01 - |
0.10 0.01 - |
3時間後消泡 |
掘削添加材 |
他社製充填材との気泡混合比較例
技術登録
1) NNTD登録番号:1267
技術情報一覧へ